ボトックス注射ができるようになりました。(その3)どんな病気の人が対象?
2020/10/16
ボトックス注射の対象疾患
ボトックス注射をすると、異常に常時収縮を続けている筋肉の収縮がやわらいで、筋肉が伸びたり縮んだりできるようになります。その結果、関節が柔らかくなり、動きやすくなります。
筋肉に、異常に、収縮した状態が続くことを痙縮(けいしゅく)と言いますが、このような痙縮を引き起こす病気には、いろいろなものがあります。
脳卒中
脳卒中には
・クモ膜下出血
・脳内出血
・脳梗塞
が含まれます。
クモ膜下出血
脳の表面の血管が破れて出血が起こる病気です。
脳内出血
脳の内部にある血管が破れて出血するものです。
脳梗塞
脳の細胞に酸素や栄養を送り届けている動脈がつまって流れなくなることによって起こる病気です。
酸素や栄養が届かなくなってしまった部分の脳組織は死んでしまって、その部分が担っていた機能は失われてしまいます。
脳性麻痺
・胎児の時期の脳の発育の異常によって起こる場合
・分娩の際に、何らかの問題が起こり、脳に障害が起こった場合
・出生直後の問題により、脳に障害が起こった場合
などがあります。
頭部外傷
頭部の外傷により、脳の組織が損傷を受けた場合に、麻痺や痙縮が起こる場合があります。
脊髄損傷
脳から手足などに向かって伸びる神経の束が脊髄です。
脊髄は、背骨の中を通っています。
事故などで脊髄に損傷を受けると、痙縮が起こる場合があります。
多発性硬化症
脳や脊髄のいろいろな部位に異常が起こる原因不明の難病です。
痙縮の原因になることがあります。